彼らは戦う前から負けていた…
ドジポンズはフットサルにも関わらず野球のユニフォームで臨んでしまった。
「おれたちは場違いだ…」
メンバーも控えは一人しかいない。4試合戦い抜くには足りない…
しかし戦う前からそんなことを言っているということはつまり…気持ちで負けているということであった…
かくして始まったフットサル大会、1試合目は優勝候補ということもありボロ負けであった。
みな相手チームにいいように翻弄された。15分フルに走りまわった伊藤は言った…
「サッカーなんて高校の体育でしかやったことが無いから…」
それは言い訳であった。
伊藤だけでは無かった。他の者も地面に座り込み、その目には輝きが失われていた。
しかし、そこに一筋の光が見えた。
「大平!遅いぜ!」
大平が来たのである。
「いいか、ディフェンスはボールじゃなくて人につけ!」
サッカーに詳しい大平のアドバイスは的確であった。チームに活力が吹き込まれた。
2試合目は負けたものの、サッカーらしくなった。ゴールのチャンスも何度か作ることができた。
キーパーを務めていた出口も要領をつかみ、ファインプレーを連発するようになった。
試合が盛り上がってきたのだ。大平が来たことによってチームに活気が出てきたからである。
だが依然ゴールが決まらない。点を取らないことには勝てない…
しかしここに新星が登場した。
監督・菅原の弟である。
菅原のオファーに応えてわざわざ府中までかけつけてくれたのである。
彼はモノが違った。3試合目から出場するとすぐにゴールを決めた。チームは俄然活気づいた。
彼の活躍で、3試合目は引き分けに終わった。
4試合目は水野の所属するチームであった。彼らは未だ勝利を手にしていなかった。
しかしそれはドジポンズも同じであった。負けるわけにはいかない。お互いの意地がぶつかり合った。
ドジポンズは菅原兄弟の2トップで臨んだ。これが功を奏し、兄弟で得点をあげた。
そして塙もボナンザへと進化しゴールを決めた。
勝った。
初めの頃は泣き言ばかり言っていた彼らが勝ったのである。
彼らは強くなった。
そして仲間の大切さを知った。
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