ルールを守る良い子達

【雨ニハ負ケズ寒サニハ負ケソウ】
寒い、寒いぞ・・・欧州と南米が共に12勝12敗で迎えた第25回にして最後のト
ヨタ杯が開催される偶然のような2004年12月12日、気温が10度を下回る
中、我がドジポンズの精鋭達は、京王線の彼方、多摩三越屋上に集結していた。ACミ
ラン、マンチェスター・ユナイテッド、バルセロナ、ローマ、アルゼンチン代表等、
思い思いのレプリカ・ユニフォームに身を包んだ人々に囲まれ、ジャージ姿の我々は
別の意味で注目を集めることとなる。そう、雨が降ろうと槍が降ろうとサッカーは行
われる。よって素人のフットサル大会もどんなに気温が低かろうが、どんなに翁が
「人間の活動出来る気候じゃない!」
と叫ぼうが、容赦なく決行されるのである。
今回、エントリーしたのは初心者クラスで、5チームによる総当り戦が待ち受けてい
る。事前に幹事長より監督就任要請を受けていた翁は、
「どうせ誰も俺の指示なんぞ聞きゃぁしねぇよ」
と思いながらも、そこは戦術マニアの1人として、数少ない経験、溜め込んだサッ
カー&フットサル知識、他のスポーツを参考に、素人でも安直に出来て、なおかつ効
果の見込めそうな作戦をピックアップ。専門用語をそのまま使っては面白くないの
で、自分で勝手に名前を付けて楽しんでいた。即ち、守備においては
“俺たちゃマルディーニ〜運転手は君だ車掌は僕だ〜作戦”
攻撃においては
“ピボ当て〜青春の光と影〜作戦”
“boring,boring,Arsenal〜走れメロス〜作戦”
のオプションを準備。更にヤカンの蛸(手も足も出ない)状態に陥った場合の最終手
段として
“前門のダービッツ後門のガットゥーゾ〜地獄の黙示録〜作戦”
別名“人間失格〜刑務所はすぐそこだ〜作戦”
まで練り上げておく用意周到ぶり。何?さっぱりわからない?要するにボールをキー
プされるのは覚悟の上、リスクを避けて縦を消しながら引いて守り、ボールを取った
らスペースにkick&rushで単純に戦おうということさ。素人が勝てないのは、チーム
としての意思統一が出来ず、ボールに群がる団子戦術になってしまうことが原因。
従って、約束事をシンプルに決めて、可能な限り組織的に対抗しようという狙いなの
だ。勿論、実際には行われなかったけどさ・・・ACファルコ(ACはイタリア語でサッ
カー・クラブ、ファルコも同じくイタリア語で鷹の意)という素敵な名前まで考えて
おいたのに、そのままドジポンズで登録するし・・・・・・

【8人の戦士】
それではACファルコならぬドジポンズのメンバーを紹介しよう。
エース・ストライカーはオランダ代表のロッベンのごとく華麗なるドリブル突破から
強烈な左足のシュートを放ち、口も手も両方達者な八木。普段は右利きだが、サッ
カーは左利きというおまけ付き。
中盤で働くのは、負傷流血をものともせず、ガットゥーゾばりの闘志溢れる運動量豊
富なプレーを見せるミッキー中井。ジェニジェニジェニ♪イカしたキッスだジェニ
ジェニジェニ♪で有名な・・・それはミッキー・カーチスだろ!40代未満は知らな
いぞ。
右サイドを主戦場とするのは戦うインク屋、先祖は沖縄人か?蝶野大城。
リザラスばりに左サイドを駆け上がるのは兄の面目を見せたい岡山Sパラダイス・
オーケストラ・マチャアキ。
ゴールキーパーの前で最後の番人と化し、一度ボールを奪えば一気に相手ゴールまで
迫るのは強力助っ人、岡山城東高校のユニフォームを着込んだ“岡山のベッケンバウ
アー、ブンデスリーガ40周年記念最優秀選手投票ではゲルト・ミュラーに1位を取
られちゃって残念だったね”岡山Sパラ(以下略)ジュニア。
ゴールを守るはラグビー仕込みの接触を恐れない小さなガッツマン、眼鏡がポイン
ト、冒険島経験が豊富そうな名人高橋。
そして身長はファン・デル・サール、技術は小学生、知識に実力が伴っていない翁。
もう1人、忘れちゃいけないのは、バイト明けで出場する気ナッスィングにも関わら
ず武蔵国外れまで足を伸ばしてくれたツルミーニョ。
以上、8名のうち、体力の消耗度に応じて5名が入れ替わり立ち替わりピッチに出て
いったのである。

【絶対に負けられない戦いがそこにもあるかなぁ】
寒風吹きすさぶ中、1試合目がキックオフ。“気分だけ監督、目指すはアリゴ・サッ
キ”の翁は正直言ってあまり期待していなかったが、エントリーしたクラスも良かっ
たのか、意外に戦える。前半早々に羊さんが先制点を挙げると、翁の偶然としか言い
ようのないナイス・セーブが生まれる幸運もあって、1−1の引き分けスタートを
切った。
しかしながら、2試合目は実力の差を思い知らされ、ジュニアのPKなどで2点を挙
げる一方、カウンターから4失点を喫し、初黒星。チャンスで確実に決められるかど
うかが勝敗を分けるのである。ね、ジーコさん?一次予選は得失点差で結構ハラハラ
しましたよ。
3試合目に入ると、キーパーを高橋名人にチェンジする決断が功を奏し、再び1−1
のドロー。この試合のMVPはまさしく冒険島の住人。守備が崩されても、キーパー
が止めれば良いのです。ね、カーンさん?W杯とチャンピオンズ・リーグはお気の毒
様。不倫相手のおかげでファッション・センスが良くなったって本当?
最下位決定戦となった第4試合。我々は全てを賭ける覚悟でこの決戦に臨んだ。“皇
帝ベッケンバウアー”ジュニア、ミッキー、メリーさんの獅子奮迅の活躍に加え、S
パラも兄の威厳を発揮。翁も老体に鞭打ち、全員で勝ち取った1−1の勝ち点1。見
事、最下位脱出を果たした。
表彰式では何とフェアプレー賞を受賞。そりゃぁそうです。何しろ我々はファールを
1つしか犯していないのだから(誰がやったのかって?犯人の名誉を守る為、トップ
・シークレットにさせて頂きます)もっとも、ファールすらさせてもらえなかったと
いう見方もあるが・・・
こうして寒中我慢大会ならぬフットサル大会は幕を閉じたのであった。
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